電子ピアノの音量、気にしていますか?お子さまの指と弾き方を守るために
こんにちは。
いのうえちづよです。
夜間の練習や、ご近所への音の配慮などのために、電子ピアノをご利用のご家庭も多いかと思います。
音量を調整できるのは、電子ピアノならではの便利なポイントですよね。
でも実はこの「音量の調整」、お子さまの弾き方や指の形に大きく関係してくることがあるんです。
今日は、そんな大切なお話をお届けします。
音を小さくしても、ちゃんと弾けているように思えますが…
電子ピアノには、音量をつまみやボタンで自由に変えられる機能がありますよね。
たとえば、夜間の練習などで「なるべく音を小さくしたい」と思う場面も多いと思います。
ただ、この「音が小さいままの状態」で長時間弾き続けると、
演奏しているお子さま自身が自分の出している音を聴き取りづらくなることがあります。
そうすると、次第に…
- 鍵盤を強く押し込むような弾き方になる
- 指の関節が曲がったまま固定されやすくなる
- 不自然な力が指や手に入りやすくなる
という状態に…。
柔らかくて繊細な子どもの指には、少し心配ですよね。
鍵盤は“押し込む”ものではありません
ピアノという楽器は、「どれくらいの強さで鍵盤をたたいたか」で音の大きさ(強弱)が決まります。
つまり、打鍵(だけん)の強さ=音の表情です。
ピアノは本来、力を入れっぱなしで演奏するものではありません。
軽やかに、必要なときにだけ“必要な力”を入れて弾くのが基本です。
ですが、音が聞こえにくい環境で練習していると、
「もっと聴こえるようにしなくちゃ!」と無意識に力を入れてしまい、不自然な押し込み弾きになってしまうことも。
たとえば、机の上で指を強く押さえつけながら早く動かそうとしてみてください。
…かなり動かしづらいですよね。
同じことが、ピアノの演奏でも起こっているんです。
おすすめの音量設定は「60〜80%」くらい
電子ピアノをご使用の場合、音量は**中程度(60〜80%くらい)**に設定するのが理想です。
もし、それでも音が気になる場合は、ヘッドフォンを活用してみてください。
ただし、ヘッドフォンの音が大きすぎないように、保護者様の方で一度チェックしていただけると安心です。
教室でも、おうちでの音量設定についてお声かけいただければ、いつでもご相談にのりますね。
まとめ:電子ピアノでも「正しい弾き方」を身につけるために
電子ピアノはとても便利な楽器ですし、使い方次第で良い練習がたくさんできます。
でも、せっかくの機能も、ちょっとした設定ミスで正しい弾き方が身につかなくなることもあるんです。
「音が小さい=安心」ではなく、
どんな音で、どんな風に弾いているのかを聴き取る練習こそが、音楽の基本。
お子さまが、のびのびと自然な手のかたちで弾けるように、
音量や指の動きにも、ぜひご家庭でも気を配ってあげてくださいね。
今日も最後までお読みくださってありがとうございました。