こんにちは。いのうえちづよです。
曲によっては、テンポがほんの少し速くなったり、ゆっくりになったりする「ゆらぎ」が自然と生まれることがあります。
今日は、この“曲のゆらぎ”についてやさしくお話していきます。
「曲のゆらぎ」とは?演奏に生まれる自然な動きのこと
音楽には「高揚感」や「気持ちの揺れ」があります。
その気持ちの変化に合わせて、テンポが自然に変化することがあります。
たとえば…
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クレッシェンド(だんだん強く)
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アッチェレランド(だんだん速く)
といった表示があるところでは、気持ちが前に進むように、
少しだけ速くなったほうが曲の雰囲気と合うことがあります。
また、音が 上行形に進む部分でも、自然と気持ちが高ぶり、
「ちょっと速く弾きたいな」という感情が生まれます。
こうした“音楽的な気持ちの動き”によるテンポの変化が、
曲のゆらぎ です。
「表現としてのゆらぎ」が生まれる場面
具体的にはこんなところ👇
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クレッシェンドで盛り上がる部分
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フレーズが上り調子になる場面
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濃淡をつけたいところ
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気持ちを前に運びたいフレーズ
ゆらぎは、演奏者が曲をよく理解し、
その場面に合った「表現」を自然にした結果として生まれます。

囚われる…ってこと?

うん、そのフレーズの気分に引っ張られる感じだね。
「弾けないから遅くなる」は“ゆらぎ”ではありません
ここで大事なポイントがあります。
ミスしやすいところだけ遅くなる
弾けるところだけ速くなる
これは、残念ながら“ゆらぎ”とは別物です。
これは、ただ単に
弾ける・弾けない箇所の速さの差
が出ているだけで、まだ表現として扱える段階ではありません。
一定の速さで弾けることが、ゆらぎ表現の前提条件
曲全体を、まずは 同じテンポで最後まで弾ける状態 を作りましょう。
この段階ではメトロノームがとても役立ちます。

わたし、メトロノームを使わないと弾けない…。

大丈夫。まずは“道具を使いながら慣れる”でOKだよ。
メトロノーム練習で気をつけたいポイント
足で拍をとらない
足は、指の動きより遅くなりがちで、
結果として速さが上げられなくなることがあります。

「意味ないじゃ〜ん」
手で拍子をとるほうが効果的
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片手で練習し、もう片方の手で拍子をとる
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メトロノームに合わせて手拍子だけをしてみる
拍の流れが“自分の体の感覚”でつかめます。
メトロノームは毎回使わなくてOK。道具に使われないこと
メトロノームは常に使うものではなく、
目的に応じて使い分けるのがおすすめです。
目的例:
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速さの確認
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テクニックの練習
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一定のテンポで弾く練習
そして、
表現段階に入ったら、メトロノームは外してOK。
ここで初めて、曲の“ゆらぎ”を自然に感じながら弾けるようになります。

じゃあ、外してもいいんだね。

うん、表現するときはむしろ外した方がいいよ。
聴き手が心地よい“ゆらぎ”をめざして
ゆらぎは“極端に”やるものではなく、
聴いている人が心地よく感じる範囲で使うのがポイント。
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ちょっと高揚した気持ち
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歌うような流れ
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フレーズの呼吸
これらを大切に弾くことで、
あなたの演奏に自然で美しいゆれが生まれます。
まとめ|1歩上の表現は“自然なゆらぎ”から
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ゆらぎ=気持ちの動きによる自然なテンポの変化
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弾けない箇所との速さの差とは別物
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一定テンポができて初めて表現できる
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メトロノームは目的に合わせて活用
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表現段階ではメトロノームを外して、音楽の流れを感じる
ぜひ、曲が持つ高揚感と自然なゆらぎを味わいながら、
あなたらしい“伝わる演奏”を楽しんでくださいね。
今日も読んでくださり、ありがとうございました。


