こんにちは。いのうえちづよです。
生徒さんからよくこんな声を聞きます。

私、リズムがどうも苦手で…。
この“苦手”の正体は、
リズムそのものが難しいのではなく、
“拍(はく)を感じ取る経験が少ないだけ” なんです。
リズムは、「頭で理解する」よりも
体で感じることのほうが大きいんですね。
リズムを感じるってどういうこと?
リズムを感じるとは、たとえば…
- 音楽に合わせて歩く
- 手をたたく
- 踊る(盆踊り・ダンスなど)
こういう動きの中で、
一定の流れに体が乗ること を言います。
それができている=リズムを感じ取れている、ということ。
逆に、リズムが苦手なときは、
- 4拍のつもりが3拍になってしまう
- 長さが毎回まちまちになる
- 等間隔に流れない
といった状態になりやすいのです。
これは単に、
拍の流れをまだ体で感じていないだけ。
誰だって最初はそんなものなんです。
リズム感を育てるための基本練習
(拍子・カウント・等間隔の感覚)
リズム感を育てるには、
まず「拍子」と「等間隔」を体に落とし込むことが大切です。
ここでは初心者さんにもできる方法をご紹介します👇
① まずは、何拍子の曲かを知る
4拍子?
3拍子?
拍子によって「感じる流れ」が変わります。
教室では、ハ長調の音階を使って以下を感じ取る練習をします。
-
4分の4拍子
-
4分の3拍子
拍子の違いを体が理解すると、演奏が安定しやすくなります。
② 拍を声に出して数える練習
4拍子なら
1・2・3・4、1・2・3・4…
と数えながら音を出します。
このカウント練習は効果抜群。
リズムに無頓着だと、
拍を数えるだけでも「あれ…?」となるので、
皆さんすごく集中して取り組まれます。
③ どの曲でも、まず拍子を“感じる”ことを習慣にする
曲を弾き始める前に、
-
この曲は何拍子?
-
流れはどう進む?
と意識する練習を続けると、
拍を感じる力が育っていきます。
④ 無意識レベルに落とし込む
最終的には、
演奏中に「4拍子!3拍子!」と考えなくても、
自然と流れが体に入っている状態が理想です。
教室でも、毎回レッスン冒頭でこの練習を繰り返しています。
歩きながら歌う練習が効果的な理由

さらに簡単で効果のある方法があるよ。

どんな方法ですか?
それは…
その曲を“歌いながら歩くこと”。
歩くとき、人は自然に一定のテンポで足を運びます。
その歩くテンポに合わせてメロディを歌うと、
- 歩くテンポが「拍の流れ」
- 歌うメロディが「音符の長さ」
となり、
リズムの仕組みが体の中でぴったり合うのです。
これはとても効果の高い方法で、
大人の初心者さんにもよくおすすめしています。
苦手意識にとらわれすぎないことが大切
ピアノを習う目的が、
-
完璧なリズム感を身につけること
なのか、 -
音楽を気持ちよく弾けるようになること
なのかで、練習の方向性は変わります。
後者の方が多いですよね。
リズムの仕組みがわかったら、
細かい「苦手」には囚われず、
音楽そのものを楽しむことにフォーカスして大丈夫です。

なるほど
“目的に合った”リズムとの付き合い方
もしあなたが、
-
リズムの正確さを徹底的に磨きたいなら
→ 回数をこなして練習すればどんどん上達します。 -
気持ちよく音楽を奏でたいなら
→ リズムの仕組みが理解できたら、それで十分。
リズムは音楽の“土台”ですが、
演奏の目的を変えてしまうほど囚われる必要はありません。
リズムを感じ取るというのは、例えば、音楽に合わせて、足を運んだり、手を動かしたりするという事なのです。
ダンスや例えば、盆踊りなどの踊りを曲に合わせて、踊るという事。
踊れるという事は、リズムが感じ取れているという事なのです。
まとめ|感じられるようになれば十分。音楽を楽しもう
リズムが苦手な方は、
譜読みと同じように“感じる経験が少ないだけ”。
- 曲の拍を感じる
- 歩きながら歌う
- 等間隔を意識する
こうした小さな積み重ねで、
リズムはちゃんとつかめるようになります。
苦手意識にばかり気を取られず、
ぜひ自由に、やさしく、音楽を奏でてみてくださいね。
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