上手に弾くとは、作曲家の意図を楽譜から読み取って再現する事。

弾き方のポイント(初心者)

こんにちは、いのうえちづよです。

 

「間違わない」より大切なこと―“音楽”を表現する力

ピアノの演奏で、「間違わないように弾く」事を気にされる方が多いですが、1番大切な事は、【音楽が表現出来ているか】という事。

これができると、はじめて上手になったと言えると思います。

上手に弾くとは「音を正確に並べる」ことではない

譜読みが終わったと思えるのはどんな時ですか?
音が全部読み取れた時でしょうか?

さらに、上達を求めるのは、音を正しい音名で並べることではないんです。

まずは“音楽になっているか”を考えよう

演奏上では、【p】が付いていたら弱く、【f】が付いていたら強くというのが基本です。

まずは、この楽譜に書いてある事をしっかりと読み取る事が大切。そして、これを演奏に生かして音楽として弾けるようになったら、上手に弾けたと言ってもいいと思います。

作曲家の意図を“楽譜から読み取る”力をつけよう

楽譜を使って演奏する時、必要な2つの事は、

✅楽譜に書いてある事を読み解く

✅楽譜に書いていない事を読み取る

を読み取る力を養うことです。

楽譜に書かれていることを正しく理解する

楽譜には、いろいろな音楽の記号が付いています。

Beethovenの楽譜

Beethovenの楽譜

 

  • ✅調号は、シャープか?フラットか?
  • ✅曲の速さはどれぐらいか?
  • ✅何の記号が付いているから、何調か?
  • ✅ritとは?
  • ✅クレッシェンドとは?
  • ✅pとmpの違い
  • ✅何回も繰り返される部分はどこか?
  • ✅山場の部分はどこか?

等々。

この事にまずは正しく理解するという事が大切です。

書かれていないことを想像して表現する(推理する楽しさ)

次は、楽譜に書いていない事を読み取りましょう。

はなちゃん
はなちゃん

これって、他人の曲なのに、勝手に演奏する事にならないの?

と思う人もいるかもしれないですね~。

これは、音楽自体の持つ意味を、読み解くと言ってもいいかもしれません。

小さな工夫で曲が生きる―同じフレーズを変えてみる

例えば、同じフレーズのメロデイが2回続いている曲があったとします。
そして、音楽の記号は何もついていませんでした。

こんな場合、同じように弾くのではなく、ちょっと工夫してみましょう。

曲を作った人が、【2回繰り返した】って事は、【その部分を強調】したかったということです。

 

さくらさん
さくらさん

わざわざ作曲家が、同じメロディを2回繰り返したんですよね。

強弱を変えるだけで印象がガラッと変わる

こういう場合は、まずは、1回目と2回目の【曲の強さ】を変えて弾いてみましょう。

曲の強さを変える事で、この部分が強調されます。

 

なんとなく、2回繰り返すんではなくて、意識しながら演奏するんですね。

こういう場合は、【p=弱く弾く】と【f=強く弾く】は何とか出来ても、【だんだん】とかの表現はピアノでいきなり弾く、というのは難しいですよね。

 

そこで、まずは【強く】か【弱く】で弾き表してみましょう

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1回目は、【強く】
2回目は、【弱く】

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これだけでも、曲の感じがすっごく変わりますよ。

自分なりに作曲家の思いを再現してみる

逆でもいいです。こういう場合は、作曲家の考えを、自分なりに想像しながら、表現してみます。

よくわからない時は、動画に撮ってみて、すぐに聴く事もおすすめです。

間違わないように弾く事もとっても大事ですけど、どんな風に弾きたいかも考える事も大切です。

ここの場合では、pとfを考えるようになると、不思議と間違わずに弾けたりします。

 

“上手”への近道は、楽譜を深く読むこと

私も学生の頃は、うまく弾けなかったですね~。
今も、どうなのってこともありますが。

どういう事に気を付けたら、【上手!】となるのかがわからなかったです。なので、【間違わない様に弾く】を一応の基準としていたんです。

でも、間違わないように弾く事は、上手に弾く事とは違ったんです。

 

上手く弾くとは、音楽にするという事で、音楽にするとは、気の向くままに弾く事とはちょっと違って、作曲家の意図する事を楽譜から読み取って、代わりに表現してあげるという事だったんです。

ねこ太郎
ねこ太郎

ややこしい〜。

これが本当の上手に弾く事で、その為の音色の研究や手の使い方を勉強しないといけなかったんですね。

アナリーゼのすすめ―ピアノの前でなくてもできる練習法

楽譜に書いてある事を読み解く事を、専門用語で【アナリーゼ】って言うんです。

楽譜に書いてある事を読み解くというと、すごく難しいように聞こえると思いますが、やっていくうちに意外と面白くなります。

pと書いてあったら確かに【弱く】なんですけど、どれくらい弱くするかというのは、その演奏者に任された弱さなんです。

そして、楽譜に書いていない事っていうのもありますから、そこは、推理するんです。

はなちゃん
はなちゃん

推理するの?名探偵〜

 

ねこ太郎
ねこ太郎

フムフム…この表現が2回続いたって事は、ここはなんかあるな。この2回をどう生かせばいいんだろう。

いのうえちづよ
いのうえちづよ
そうそう、そんな感じ〜

例えばpの弱さ加減などは、好きに表現していい部分ですから、大いに自分流に弾いてみてね。

 

困った顔の女性
困った顔の女性

何でピアノの場所で、楽譜を見ないの?

 

 

はなちゃん
はなちゃん

これ、アナリーゼって言うんだ。楽譜の勉強だよ!ピアノの前でなくてもいいんだよ。

音楽独特なものなので、ちょっとイイ感じがしませんか?

楽譜は、鍵盤の前だけで読むものではなくて、通勤途中でも、読書のように机の上でも眺めながら【アナリーゼ】をしてみてくださいね。

ピアノの前で、弾きながら見るのと違って、じっくりと見るのとでは、中身の発見がたくさんありますよ~。

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まとめ:上手に弾くとは「作曲家の意図を自分の手で表現すること」

上手に弾くとは、作曲家の思いを読み取って、あなたの演奏で再現することです。

今日もお読み下さってありがとうございました。