「力の向き」で音が変わる。 疲れない“指先打鍵”のコツ

弾き方のポイント(初心者)

こんにちは、いのうえちづよです。

今日は、ピアノを弾くうえで大切な 「打鍵の向き」=鍵盤を押す方向の意識 についてお話しします。

よく生徒さんに
「鍵盤って“つかむ”感じって言われるけど、握るってことですか?」
と聞かれます。

いいえ、実はまったく違うんです。

UFOキャッチャーを思い出してみてください。
手のひら全体で握るのではなく、指先をうまく動かして“物をつまむ” ことがポイントですよね。

打鍵もそれと同じで、
力は“上から押しつける”のではなく、“指先に向かって流れるように”伝えていく。
この意識がとても大切なんです。

打鍵は「押しつける」ではなく「指先へ向かう」力

鍵盤を叩くとき、
腕や手全体で“振り下ろす”ように弾いてしまうと、音は大きくなるかもしれません。
でもこの方法は、手首や腕を痛める原因になります。

特に初心者さんは👇

  • 大きい音を出そうとして腕を使う

  • 手首が落ちる

  • 肩に力が入る

こうなりやすい傾向があります。

ですが、ピアノの音は、
「指先に向かう小さな力」だけで、十分に響きは作れます。

力の向きを変えるだけで打鍵は変わる

悪い例はこんな力の向きです↓

  • 手全体で押しつける

  • 上から叩きつける

  • 手首が落ちる

この弾き方だと、指が自由に動きにくく、速い曲や細かい音型が難しくなります。

逆に良い例は👇

力の向きが「指先へ流れる感じ」

つまり、指の腹 → 指先へ向けて力を集めるように弾くんです。

これだけで、

  • 手が軽くなる

  • 肩や腕の疲れが減る

  • 音がクリアになる

  • コントロールしやすい

と、いい事ばかり。

初心者さんは “小さい音で丁寧に” が近道

打鍵のフォームが育っていない段階でフォルテを頑張りすぎると、
どうしても腕や肩を使った“押しつける打鍵”になってしまいます。

まずは、

  • 軽く

  • 丁寧に

  • 1本の指で

  • 小さな音から

これらを意識することで、自然と力が指先へ向かうようになります。

ある程度弾ける方にも大切なポイント

「速い曲が弾けない」
「手が固まる」
という方の多くが、

手首から上へ力が逃げずに “押しつける方向” の癖がついています。

テクニック系の曲を練習する時も、
力は必ず指先へ。
この意識ひとつで、動きの軽さが全く違ってきます。

◆ 指先に向かう方向をイメージするには?

指先へ向かう力が分かりにくい場合、

日常動作で練習できます

例:

  • 子どもを「おいでおいで」と呼ぶ手首の動き
  • 小さな物を指先でつまむ動き
  • 鉛筆を軽く握って書く時の力の向き

これらはすべて、
手の力が「先端に向かって流れている」動き です。

鍵盤でも同じ感覚が使えます。

まとめ

ピアノは「力を入れる楽器」ではありません。

必要なのは、

  • 指先に向かう小さな力

  • 方向の意識

  • 体の無駄な力を抜くこと

これだけでも、音がふんわり・やわらかく変化します。

強い音も、弱い音も、
「どこに向かって力を伝えるか」で決まってきます。

ぜひ、今日の練習から指先への力の流れを意識してみてくださいね。

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