こんにちは、いのうえちづよです。
今日は「間違えること」について、少しお話ししたいと思います。
「間違えない」ことばかり気にしていませんか?大切なのは“伝わる演奏”です
ピアノを弾いていると、「間違わないように弾く」ことがとても大事に感じられる瞬間がありますよね。
特にコンクールなどでは、「ノーミスなら予選通過」なんてことも実際にあるので、つい意識してしまうものです。
そうなると、「間違えない」ことが最大の目標になってしまいがち。
「間違わないように、間違わないように…」と、まるで呪文のように唱えながら練習している方も多いのではないでしょうか。
もちろん、その気持ちはよ〜くわかります。
でも、少しだけ視点を変えてみませんか?
音楽そのものに目を向けることの必要性
レッスンでは、音そのものの読み間違いについては、しっかりと正します。
でも、演奏中にたまたま指が滑ってしまった…というような小さな「弾きミス」は、その場では触れずに、音楽そのものに目を向けることが多いです。
なぜかというと、そのミスを本人がちゃんと自覚していて、それ以上に伝えたい音楽がある場合、そこに集中する方がずっと意味があるからです。
たとえば、クレッシェンド(だんだん強く)している途中で、ひとつ音を外したとしても、
その音の表現の仕方に夢中になっているなら、それはすごく価値のある取り組みです。
もちろん、はっきりとした音の間違いや、同じ箇所で何度も繰り返すミスは、しっかり直した方が良いです。
時には、指づかいから見直す必要もあります。
でも、それでもやっぱり大事にしてほしいのは「音楽を届ける」ということ。
誰かに向けて演奏するというのは、ただ正確に音を並べることではありません。
聴いてくれている人がいて、
その人たちに**「あなたの音楽」を届ける**こと。
そのために、**一番よい音を探していく作業が“演奏”**なんです。
だから、レッスンの仕上げ段階では、ミスが出るたびに演奏を止めて最初からやり直すのではなく、音楽の流れを止めずに、最後まで届けることを大切にしてほしいと思っています。
ピアノの演奏は、「間違わないように」するための練習ではなく、音楽をつくっていくための練習です。
まとめ
今日のレッスンでも、ミスを気にして演奏が止まってしまう場面がありました。
確かに、間違わずに弾けるようになることは、目標のひとつかもしれません。
でも、そればかりにとらわれすぎると、演奏が固くなったり、楽しめなくなってしまうんです。
だから時には、「間違ってもいいから、先に進んでみる練習」もしてみてください。
そして、なによりも、聴いている人への思いやりのある演奏を目指していきましょう。
それが、音楽の一番あたたかいところだと、私は思います。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。