こんにちは、いのうえちづよです。

ファの音にダブルシャープがつくとソになるんだから、最初からソを書けばいいんじゃないの?なぜ、ダブルシャープをつけるの?
というご質問を解説してみます。
「ファ」にダブルシャープが付くとどんな音になる?
まず、「♯(シャープ)」は半音上げるという記号です。
そしてダブルシャープとは、シャープが2つ付くと言うことなので、2回半音上げた音になります。
ファの音を2回半音上げるとソの音になります。
鍵盤で言うと鍵盤2つ右に移動させた音です。
ファ → ファ♯ → ファ♯♯(つまり、ソと同じ音)⬇️

ほら、やっぱりソと同じじゃん!
はい、その通り、音だけ聞けば「ソ」と同じです。
じゃあ、なぜわざわざ「ファ」にダブルシャープを書くのか?
それには、音楽のルールや流れが関係しているんです。
ポイントは「音の流れ」と「構成」
たとえば、ソナタやクラシックなどの曲では、「ある調」で音が組み立てられています。
ある調とは、例えばハ長調やニ長調などの調のことで、音楽はこの調で出来た音階で作られています。料理に当てはめるとしたらと材料でしたよね。
この音階は、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの順に音を並べて使うのが基本なんです。
ド→ド♯→ド♯♯とは書かないですよね。だから、次の音が「ファ」の変化形なら、「ファ」に♯やダブルの♯をつけて表現するのが自然なんです。
いきなり「ソ」って書くと、音の並びが乱れてしまい、構造としてわかりにくくなってしまうのです。
つまり、「ソ」と書いたらラクだけど、理論上の流れや意味が伝わりにくくなる。
だから作曲家はあえて「ファ」ダブルシャープと書いている、というわけです。
たとえばこんな場面で登場します
たとえば、「ロ長調」の曲では、ファが出てくることがあります。
そしてこの同じ調号を持つ短調ではスケールの第7音が「ダブルシャープ」付きになるんですね。
この「ファ」ダブルシャープを「ソ」と書いてしまうと、スケールの順番が崩れてしまう。
だから「ちゃんと理論に沿った流れを見せる」ために、「ファ」ダブルシャープで表記するのです。
教室レッスンは、どうしても迷う場合は、書き換えてもいいですよ〜とお伝えしています。
でも、楽譜としては、新しく出て来るたびに書き換える必要が出てくるので、慣れた方がいいのかなと思います。
まとめ
音だけ聞けば「ソ」と同じ「ファ」ダブルシャープ。
でも「ファ」ダブルシャープと書くのには、楽譜の中での音の流れや意味を正しく伝えるためという理由がありました。
ちょっと難しく感じたかもしれませんが、
「音が同じでも、意味がちがうことがある」というのは、音楽の面白さでもあります。
もし次に、ダブルシャープに出会ったら、
「うん、これは“音の流れ”を大切にしてるんだな」と、優しい気持ちで見てみてくださいね。
今朝もお読み下さってありがとうございました。