オクターブ記号はなぜ使う?加線の限界と読みやすさの理由をやさしく解説

音楽の知識

こんにちは。いのうえちづよです。

レッスン中に、こんな質問をいただきました。

さくらさん
さくらさん

オクターブ記号って、なんで付いているんですか?
加線を加えたほうが読みやすい気がします。

今日はこの疑問にお答えしますね。

加線とは?どんなときに使うの?

ピアノには、88鍵があります。
このすべての音を楽譜に表そうとすると、とても広い範囲になります。

五線譜の外の音を書くときに使うのが「加線(かせん)」です。
名前の通り、線を“加える”という意味ですね。

これを楽譜に書き表す場合、オクターブ記号を使わずに地道に書き写すとしたら、
こんな感じです。⬇️

目がチラチラしますね。

ピアノの大譜表では10本の線があります。それから、上または下の音を書き表す為には『加線』を加えます。

言葉の通り、加える線ですね。

加線は何本まで使うの?

ピアノの楽譜(大譜表)には、上のト音記号と下のヘ音記号があります。

  • ト音記号の上には 最大9本 の加線

  • ヘ音記号の下には 最大6本 の加線

  • その間(中央のド)には 1本の加線

これ以上になると、音符が見づらくなり、読み間違いが起きやすくなります。

ト音記号が書かれている線の更に上の部分ですね。⬇️

ト音記号五線紙の上の加線

ト音記号五線紙の上の加線

 

ヘ音記号の書かれている五線紙より下の加線は6本⬇️

ヘ音記号の五線譜より下の加線

ヘ音記号の五線譜より下の加線

 

ヘ音記号とト音記号の間は、一点ハの音に使われる1本のみです。右手で弾くか、左手で弾くかで、ト音記号の五線譜か、ヘ音記号の五線譜よりになります。

このように線を加えて、音符を書くと見にくいし、読み間違えたりしますよね。

そこで、オクターブ記号の登場です!

読みやすくするための工夫「オクターブ記号」

そこで使われるのが「オクターブ記号(8va・15ma)」です。

オクターブ記号は、実際の音の高さを数字で示す便利な記号。
見慣れた高さで音符を書けるので、譜面がスッキリ見やすくなります。

  • 8va(オッターヴァ)…書かれた音より1オクターブ上(または下)

  • 15ma(クィンディチェジマ)…書かれた音より2オクターブ上(または下)

🔸下げる場合は、点線が下側につく表記になります。

オクターブ記号

オクターブ記号

下の方へ、下げる場合は、記号の点線部分が、逆になっています。⬇️

オクターブ記号 大譜表

オクターブ記号 大譜表

 

ここまで見てきたとおり、オクターブ記号を使わずに、加える線は、

  • 高音の部分=最高9本
  • 低音の部分=最高6本

でした。

オクターブ記号を使うと何が変わる?

同じ音でも、記号によって「高さ」が変わるだけ。
つまり、見た目は同じでも弾く場所(高さ)が変わるということです。

オクターブ記号を使うことで、

  • 五線譜がスッキリ

  • 譜読みが簡単

  • 演奏中の混乱が減る

というメリットがあります。

 

まとめ

  • 加線の上限は「高音9本」「低音6本」

  • それ以上の高さ(または低さ)は、オクターブ記号で表す

  • オクターブ記号を使うと、譜面が見やすく、読み間違いも減る

ピアノ譜を読むときは、記号も“読み方の一部”として味方につけましょう。

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ゆっくり慣れていけば、楽譜の世界がぐっと広がりますよ♪