コードの移調をやさしく解説!ハ長調→ニ長調も、もう迷わない

音楽の知識

こんにちは。いのうえちづよです。

さくらさん
さくらさん

今、コードでアレンジ奏の練習に取り組んでいます。弾いているハ長調の曲をニ長調に移調したいんだけど、コードはどんなふうに弾いたらいいのかな?コードのアレンジ弾きをしたいので、楽譜の音は使わないんだけど。

 

今日はこのご質問に答えます。

 

コードの移調をやさしく解説!

移調するとは、今弾いている曲を他の調で弾くことです。

いのうえちづよ
いのうえちづよ

ここでは、ハ長調の曲をニ長調で弾く事です。

楽譜の音を使って移調する場合は、全部の音を移す必要があります。「楽譜の通りに弾くのが目的だから」ですね。

コチラに、ハ長調の曲をト長調に移調するという記事を書きました↓

今日の方法は、コードで演奏しているので、そのコードをそのまま移して移調する方法です。

コードを移調するってどういうこと?

「移調」とは、曲全体の調(キー)を変えること。
たとえば、ハ長調の曲をニ長調で弾く――というのも移調のひとつです。

もし楽譜通りに弾くなら、
すべての音符を一音ずつ別の高さに書き換える必要があります。
でも今回は、コードで弾いている場合の移調
コードのアルファベットを動かすだけでOKなんです。

つまり、

「C」→「D」
「G7」→「A7」

このように“コードを移すだけ”で、移調が完了します。

コード移調の基本手順

では、ハ長調の曲をニ長調に移す場合の流れを見ていきましょう。

◉手順はこうです。

  1. コードが表している音を調べる
  2. 元の曲の調を確認する
  3. 移調先の調を確認する
  4. どれぐらい音が動くか考える
  5. コードを移調する
  6. 書き換えたコードで演奏

コードだけでアレンジする場合も、何調につけられたコードかわかるのは大切なことです。

順番に解説していきますね。

手順① コードを作っている音(=構成音)を確認する

まずは、楽譜に書かれているコードを確認します。

たとえば「C」と書かれていたら、構成音は「ド・ミ・ソ」。
次の「G7」なら「ソ・シ・レ・ファ」。

このように、出てくるすべてのコードがどんな音でできているのかを調べます。

まずは、元の調のコードを見てみましょう。もし、「C」と書いてあったら、「表している音はドの音となります。

音の読み方表⬇️

音の読み方

音の読み方

 

この画像の赤丸が付いたコードのアルファベットは、「ド」というのがわかります。↓

コード記号の画像

コード記号の画像

なので、Cの構成音は、ド・ミ・ソです。

次の小節を見てみます。
次の小節に書いてあるのは「G7」なので、構成音は「ソ」の音から始まるソ・シ・レ・ファとなります。

この様に楽譜に書いてあるコードの構成音を全て調べましょう。

手順② 元の曲の調(キー)を確認する

今回の例は「ハ長調 → ニ長調」に移す練習です。
もとの調がハ長調かどうかは、楽譜のはじめを見ればわかります。

調号(シャープやフラット)が何も書かれていない場合、それはハ長調です。

はなちゃん
はなちゃん

元の調はハ長調。

方法は、曲の最初を見るのが最も早いです。下の画像から、この最初の部分には調号が書いてありません。以下の画像⬇️

元の調の画像

元の調の画像

 

なので、調はハ長調となります。

ねこ太郎
ねこ太郎

調号ってフラットやシャープの事だよね

いのうえちづよ
いのうえちづよ

そうそう。

このように調号の数種類でその調がわかります。

手順③ 移調先の調(キー)を確認する

次に、どの調に移したいかを確認します。
今回はニ長調にしたいので、音名で言うと「レ」から始まるスケールです。

ニ長調の調号は

ファ♯ と ド♯
が付いています。

このことを確認しておきましょう。

次は、何の調へ移調するか確認しましょう。今回は、「ハ長調の曲をニ長調へ」でしたね。

ニ長調は、音名「二」の音から始まる音階ですから、上の【音の読み方】表から、二はレというのがわかります。

このレから始まる音階を見てみましょう。調号は、ファの音とドの音に、シャープが付いています。⬇️

ニ長調の音階の画像

ニ長調の音階の画像

 

移したい調はニ長調で、調号はドとファにシャープが付いている

という事が確認できました。

手順④ どれくらい音を動かすか考える

ハ長調 → ニ長調への移動は「長2度」上がるという関係です。

つまり、

音をひとつ挟んで次の音に上げる
ということ。

ド → レ
ミ → ファ♯
ソ → ラ
といった感じですね。

ハ長調をニ長調に移調する時は、音がどれぐらい動くのでしょう。

下の画像を見てください。↓

ハ長調をニ長調へ移調するの画像

ハ長調をニ長調へ移調するの画像

 

移調する場合は、音の幅を考えます。
今回は、ハ長調をニ長調へは、音が1つだけずれるので、「長2度」という音の幅で動くということになります。⬇️

ハ長調からニ長調への移調の説明

ハ長調からニ長調への移調の説明

 

長2度で移調とは、「音を1つ挟んだ次の音へ移動」ということになります。

長2度移調するとは、音を1つ挟んだ次の音へ移動するという事

という事が、わかります。

手順⑤ コードを移調する

それでは実際にコードを移してみましょう。

ハ長調からニ長調へ移調するには

  • 音を長2度の音の幅で動かす

というのがわかりました。

その定義を使って、コードも2つ動かしましょう。

この場合は、ド→♯ド→レと動くので、コードもC→♯C→Dと動きます。
CはDへ、G7はAへ、

 

ねこ太郎
ねこ太郎

ちょっと、ややこしいねえ・・・。

いのうえちづよ
いのうえちづよ
ですねえ・・。

 

最初に見た楽譜の最初のコードは、Cでした。

このコードを上で調べたように、2度あげるとDになるんです。

アルファベットは、C・D・E・F・G・A・B・C

この曲のコード進行は、元々が

C・G7・C・C C・G7・C・C
G・G・C・C C・G・C・C

となっていたので、2度上げて

C→D・G7→A7・C→D・C→D C→D・G7→A7・C→D・C→D
G→A・G→A・C→D・C→D C→D・G→A・C→D・C→D
⬇️
D・A7・D・D・D・A7・D・D
A・A・D・D・D・A・D・D

となります。これで、コードを書き換えることが完了です。

ここまで、ちょっとゆっくり確認してみてくださいね。

移調したコードで弾いてみよう

書き換えたコードは、いつものように自由にアレンジして弾いてOKです。

リズムや弾き方は、もとの調のときと同じでもいいですし、
ニ長調に合わせて少し雰囲気を変えても素敵です。

大切なのは、「音を楽しみながら」弾くこと。
コードを使えば、移調もアレンジも自分らしくできますよ。

書き換えたコードの演奏は、いつものように自分なりで構いません。

コードの場合は、好きなリズムやコードで使われている構成音で自分なりにアレンジして弾きましょう。もちろん、弾き方はハ長調で弾いていたように弾いてもいいし、ニ長調では、別な感じにお好きにアレンジしてくださいね。

まとめ|コード移調は「音をひとつ動かす」だけ

コードを使った移調は、決して難しくありません。

1️⃣ コードの構成音を調べる
2️⃣ 元の調を確認する
3️⃣ 移調先の調を確認する
4️⃣ 音の距離(何度動かすか)を考える
5️⃣ コードを書き換える

この流れで、誰でもスムーズにできます。

移調は、音楽の理解を深めるとても良い練習にもなります。
焦らず、少しずつ慣れていきましょうね🎵

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移調もアレンジも、ひとつずつ一緒に慣れていきましょう。